MINOLTA AF 20mm F2.8
単焦点レンズというのは中毒性が高く脱離症状が重いため違法薬物として規制するべきです。
このMINOLTA AF 20mm F2.8は、摂取することにより多幸感を得られ、またとても美しい幻覚を引き起こします。これはピントリングの出っ張りと72mm大口径レンズが視床下部のレセプターに働きかけドーパミンの放出や交感神経の活性化により、身体を強制的に興奮状態にするためと考えられています。
元々、私は風景写真を撮ることが多く、広角レンズをよく持ち歩いていたのですが、そのレンズが割とでかくて重かったのがちょっと問題だったんですよね。というのも、私ももう年なので、いつまでも若い頃のようにクソデカレンズとクソデカカメラをぶん回せなくなってきたのです。
その点、単焦点レンズは良いですね。ズームができない制約はあれど、ズームレンズより小型軽量、そしてなんか写りも良さげで、なおかつちょっとカメラわかるマンに対してちょっとしたマウントを取れるのがいい所です。人生ナメられたら負けなんでね
このレンズの特徴として、前玉部にかけて出っ張る鏡胴の形状が挙げられます。レンズの全長自体は28単や50単とそんなに変わらないんですが、口径だけ異様にでかいです。初代から変わらないこの出っ張りは、暇なときにナデナデするのにぴったりだったりします。
そしてもう一つ。Minoltaにしては珍しく、花形フードを採用しています。私の記憶だと、これ以外には16mmFishEyeと17-35mmF3.5Gくらいしかなかった気がします。(あとオプションで買えるやつ)このフードは一人旅で四国に訪れていた時、偶然20単のケースを発見し、その中に偶然フードもついていたので即買いしたものです。
やはりね、広角単焦点は正義ですよ。
隅々まで鮮明に描写する解像力。このレンズを持っていると、街中に生えている鉄骨やら歩道橋やらを、アオリ構図でなんかかっこよくバーンって撮りたくなる衝動にかられます。
構図いっぱいに広がる風景のダイナミクスを、こいつは勢いそのままに、静止画としてとらえられるすごいやつなんです。
これまで使っていた広角ズームとは違い、広角単焦点では考え方も違ってきます。ズームの場合、画角が可動なため、風景に合わせて画角を考えます。
広角単焦点では真逆です。画角が固定なため、風景を画角に合わせる、つまり姿勢を変えたり、場所を変えたり、あるいは要らない部分を思い切ってカットしたり。広角ズームを使っていた頃には陳腐な写真が多かったですが、単焦点に変えて、どう撮るかを考えるようになるだけでも、印象的な写真が撮れるようになりますね。
絞ってパリパリに映すのも良いですが、F2.8という明るい解放値を活かしてボカシてとることもできます…………が、まあボカシが本業の100マクとかに比べると、ちょっと汚い感じなのが否めない………
写し方の問題もあるかもしれませんが、後ボケが何かうるささを感じてしまう……
やはり広角単焦点の正しい服用方法は、工事現場とか渓谷とか、デカくて厳つくて迫力のあるものを良い感じに撮るに限りますね。
20単ガンギマるわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(多幸感)